Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
「ね、何をおかきなさるの?」
「小説(ポーヴェスティ)です」
「すばらしいこと! ロシア語でかかれないのはほんとに残念です。本になっていますか」
「わたしはもう幾冊かの本を出版しています」
だが、一体何のためにこういうばからしい会話をしていなければならないのだろう。伸子には訳がわからなくなった。彼女が伸子を迷惑がらしているということをはっきり知らすために、伸子は、
「私に幾冊本があろうと、あなたには同じことです――残念ながらあなたは読めないんだから」
そう言った。
「さあ、もうそろそろねる時間です」
そして、伸子がベッドの中で寝がえりをうちそうにすると、女助医はどうしたのか、
「もうちょっと! 可愛いひと!(ミヌートチク! ミーラヤ!)」
というなり、ベッドのはじに斜かいにかけていた体を、半分伸子の上へおおいかぶせるようにして右手を伸子の体のあっち側についた。
「きいて下さい、わたしはゆうべ結婚したんです」
その瞬間伸子は女助医が酔っぱらっているのかと思った。ウィシュラ・ザームジュ。嫁に行った――そうだとしてこのひとは何故伸子に知らさなければならないのだろう。伸子は枕の上でできるだけ頭と顎をうしろへひき、きめの荒い四角いどっちかというと醜い女助医の顔から自分の顔を遠のけるようにした。