Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

みんなの言葉に背中を押されるようにして、伸子は、その会に出席することを承知したのだった。

伸子は気をはって、その日は定刻の午後七時きっちりに着くように、素子とつれだって日本人クラブへ行った。

その一区画は、規則ずくめなベルリン市のやりかたにしたがって、町並全体がどの家の前にも同じ様式の上り段とおどり場とを並べている。タクシーからおりた伸子は、車のなかでぬいでしまった紺フェルトの帽子をハンド・バッグにもちそえた学生っぽい姿で、その一つの入口をのぼって行った。

とりつぎらしい人の姿も見あたらなくて、がらんとしたホールに立話をしている人があった。会合のある室をその人にきいて、伸子と素子とは左手の奥に大きい両開きのドアがあけはなされている方へ行った。

その室の敷居ぎわまで行って、伸子の断髪がさっぱりとうつっている顔に困った表情があらわれた。古風なシャンデリアの強い光にてらしつけられているその室は、どの窓もすっかりカーテンをおろして夜の重々しさだった。タバコの煙がうすくこめている。細長い大テーブルのぐるりには、一見して伸子のような若い女は子供に近いものとしてしか見なさそうな年輩の風采の医学者連が多勢よりあつまっているのだった。