Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
こういう話のでたのは木曜会員の一行がベルリンの下水工事を見学し、解散したあとのことで、津山進治郎、伸子、素子の三人がその辺の小店で昼飯をたべたときのことであった。津山進治郎の話がすすむにつれて伸子の眼は次第にみはられた。しまいにはくいいるような視線で彼のきめの粗い、ほこりっぽいほどエネルギーにみちた顔を見つめた。伸子は、しんからおどろいたのだった。資本がますます独占されてゆく形として第一次大戦後のドイツにトラストが発展して来ている。それは世界平和の危険として注目されているのに。――ドイツの少数の企業家たち、軍需企業家たちが寡頭政治で独裁権をつよめて来ているからこそ、ドイツの大衆の固定的窮乏と云われるものが生じているのに。――伸子が、おどろきと、好奇心を動かされたのは、津山進治郎が、トラストというものを、ほんとに彼の説明どおりのものとして――モルトケ将軍の戦術という側からだけ理解しているらしいことだった。何につけても、ドイツの再軍備の面に関心を集中させている津山進治郎は、ドイツが国をあげてこの次の戦争には是が非でも勝とうと復讐心をもって準備している、そのあらわれとして、トラストも説明してきかせるのだった。