Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
パリでジョセフィン・ベイカアがはやらした駝鳥羽根の大きい扇を体の前にあやつり、きっちりと小さい金色のパンプをはいた足の上で、あらゆる角度に桃色の体をくねらせながらしばらく踊った。胸のあたりも体のしまった若い女としか見えないその男は、踊りが終って照明の輪からぬけ出す瞬間、伸子たちのいるところからは見えなかった何かの動作をしたらしくて、それまでしーんとしてその女のような男の踊る姿に目をうばわれていた観客が、どっといちじに男の喉声を揃えて笑った。それは、ばかばかしいような異様なような空気だった。伸子たちは、その立役者のおどりがすむとすぐそこを出た。川瀬たちの話によると、そこにいたかなりの数の女客のうち、ほんとの女は何人位だろう、ということだった。
「ベルリンには、もっと気ちがいじみたカフェーがある。囚人カフェーっていうんで、そこじゃ給仕がみんな横だんだらの囚人服を着ていて、バーテンダアは看守のなりだよ。御丁寧に、腰かけは裁判所の被告席そっくりのベンチさ」
「戦争ですよ、みんな戦争の置土産ですよ」
ベルリン生活のそういうものが珍しくもなくなっている中館公一郎が沈んだ顔をして云った。