Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
伸子は、テーブルの上に出たままになっている「戦旗」をめくりながら、日本は、ソヴェトの社会に似るよりもよけいにベルリンに似ていると思った。革命という字は、伸子にしても、そこに未来の約束がふくまれている言葉として感じとられるようになっているけれど、ほんとうに革命が生きぬかれてゆく、いりくんで複雑な過程は、何とそれぞれの場所で、それぞれにちがっていることだろう。伸子が、日本はドイツに似ていると感じることのなかには三・一五やら山本宣治の暗殺や二冊の「戦旗」にみなぎっているけわしい対立の雰囲気からの連想があった。自分のうちにある正義の感覚や人間としての権利の主張を、理論にたって組織して、それによって、行動する習慣を身につけていない伸子は、ひたすら、いやなものをいやと感じて澄んだ眼のなかの黒い瞳を一層黒くこりかたまらせるのだった。
伸子はしんから腑におちたという調子で、
「日本の男のひとたちが、ドイツをすくわけだわねえ」
と歎息した。
「形式ばったところや、勿体ぶって男がいばっていられるところなんか、日本そっくりなんだもの。かげへまわればグロス的でさ。女のひとは、三つのK(子供・台所・教会)だし……。