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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

多計代が無理な旅行に出ているということが、何につけてもみんなの無理のかなめとなっている。伸子は、多計代がパリか、ロンドンで長く臥つくようなことにならなければ幸だ、とまじめに思った。泰造の経済力は、そこまでの負担にたえるとは思えない。

「お母さまの健康、よっぽどひどいのかしら」

だまってみんなの話をきいていた素子が、おこったように、

「見たってわかるじゃないか」

と云った。

「――お兄様、三井さんとお話しになったんじゃない?」

多計代の信頼している家庭医の名を云って、小枝が和一郎をかえりみた。

「三井さんは、はじめっから絶対反対さ。医者として保証しないって云ったんだ」

保が死んでから、多計代は見ちがえるように健康を失ったのだった。

「それでも、おっかさんがきかないもんだから、おやじも仕様がなくなったんだろう」

そうならば、伸子は考えるのだった。つや子や和一郎夫婦をごたごたとひきつれて来るよりも、実質的に多計代をたすける能力をもった、語学ができてしっかりした女のひとを一人つれて来るべきだった。そのひとと、泰造の助手となれる若い男のひととを。――どうせ、多計代を中心にしての計画ならば、どうしてみんなはそういう風に、整理された旅行の方法を考えつかなかったのかしら。