Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

自分の国で窮屈な思いをしている国の人ほど、外国へ出ると、外国は自由だと思ってのびようとするのよ。だけれど、ここでだって、セイヌ河からみもちの若い女の溺れた死骸が毎日あがっているのよ。新聞でみてるでしょう? 木炭ガスで自殺している貧しい親子があるわ。あなたがただって、もうどうせここまで来てしまっているんだもの、できるだけ智慧をはたらかせて、生活のいろんな面のなかから自分たちの方針を立てて行かなくちゃ。いま、和一郎さんが腹を立てているのも、もっともだけれど、だって、怒るために、何もパリまで来たわけじゃないんでしょう。ねえ、小枝ちゃん」

「わたしは、正直なところ、お兄さまがおこるのさえ、やめて下すったらと思うの。わたし、背中のぬけるぐらい、平気なのよ。すこしの間恥しいのを辛抱すれば、それでいいんですもの」

船で、小枝が夜の服に着かえてから、多計代の和服の帯をしめる。暑い船室でのその仕事は、せっかく身じまいした小枝に汗をかかせて、薄い、きれいなレースや何かの夜の服の背中まで汗をにじませることがある。和一郎は、そういう小枝を見ると、不機嫌になるのだった。

「和一郎さん、それは御亭主のエゴイズムというものよ」