Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
――いい? 忘れない?」
伸子の頸につや子は重く両腕を巻いた。
「忘れない。――だから臥ていらっしゃい。いい子」
両親の方を見ないで夜の挨拶をし、つや子が室を出て行った。伸子はあらたまって、多計代を主として、両親に云った。
「旅先でもあるし、お母様もごたごたしたお気持なんだろうけれど、わたし、お金のことについては、はっきりしておいて頂きたいと思うわ。これまで、随分お母様とはいろんなことで云い合ったけれど、お金について今夜のようにおっしゃったのは、はじめてなんだから。これまで実際にあったことをあったとおりに考えて見て下されば、お母様は、わたしに対して、ただの一遍だって、出すだけは黙って出せ、と云うような金をお出しになったことはなかったと思うわ。そうお思いにならない?」
だまって多計代は顔をそむけた。
「わたしから、お金をねだったということがあったかしら。佃と結婚したとき、お母様は、自分の思うことをするのなら、経済的にもすっかり自分でやれっておっしゃったでしょう。あれは、今になってみればみるほどありがたかったと思っているんです。和一郎さんには、お母様少しちがうのよ。