Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme

Aozora Bunko

薄情なようですが、追っ駆けられるような心持で、大雨の中に飛出し、無我夢中で家に戻りましたが」

「お園の寝て居るのを、部屋の外から覗いたのだね」

「そうなんです。唐紙を開けると、たった一と眼であの姿が見えました」

「部屋へも入らず、向う側の――雨戸の開いて居た縁側へも廻らなかったことだろうな」

「それどころではございません。一と眼見て、四つん這いになるようにして、元の入口へ戻りました」

「どうしてそれを今まで人に話さなかったんだ」

「私は怖かったんですよ、親分」

若旦那金之助はその時の事を思い出すと、歯の根も合わない心持になるのでした。

「曲者は裏の方の縁側から入って、後ろ向になって寝て居るお園を刺し殺し、元の縁側から外へ出て居る。お前さんは入口の格子を開けて入って、廊下から唐紙を開けて、中の死骸を見、肝をつぶして元の入口に戻った。

裏と表の二つの足跡は、部屋の入口から死骸のところまで縁が切れて居る。お前さんは表から入って表から出たことは、見て居た者があって確かだから、お園を殺したのは、外の者ということになるのだ。畳の上をひどく濡らした足跡が、お前さんの命を救ってくれたよ、若旦那」