Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
先々代の姪の子で、十歳で孤児になったお夏に、佐渡屋の女主人や娘達、奉公人達まで殺す動機があろうとも思われません。
「それがあるとしたらどうです。銭形の親分」
由良松は低い鼻を蠢めかします。色白の、柔和な感じの男ですが、石原の子分衆のうちでは、一番よく智恵のまわる三十男です。
「わけがある? あの娘に?」
「あの娘――お夏というのは、佐渡屋とどんな引っ掛りになって居るか、親分は知って居なさるでしょうね」
「先々代の姪の子で十歳の時此家へ引取られたとか言ったが――」
「十歳の時引取られたのは本当ですが、お夏は先々代の姪の子なんかじゃなくて、あれは三年前に亡くなった佐渡屋の主人源左衛門の隠し児だったと聞いたら、親分はどう思います」
由良松の低い鼻が又うごめきます。
「本当かえ、それは?」
「十年前に佐渡屋源左衛門の妾だった母親に死なれたのを、父親の源左衛門は可哀想に思い、先々代の姪の子ということにして自分の家に引取り、内儀のお兼さんにもそう思い込ませて十年もの長い間、親類の掛り人で育てたとしたらどうです。お夏は間違いもなく此家の娘で、お絹やお信の姉に当るわけじゃありませんか」