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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme

Aozora Bunko

飛び付いて引摺り込んで、二つ三つ横っ面を張り飛ばして、それから犇と抱きしめて、泣けるだけ泣いてやりたいような心持を我慢して、彦兵衛は没義道に戸を閉めたのに、何の不自然があるでしょう。平次が止めてくれなければ、お富が泣き濡れて、父親の胸に齧りつくに定っているように思えたのです。

「じゃ、あの、娘を助けて下すったのは?」

彦兵衛の照れ臭さ。

「俺だよ、彦兵衛」

「…………」

「浜町で堅気に暮しているとは聞いたが、お富の親がお前とは知らなかった。――それにしても、五年前の彦兵衛とは、打って変った心持、この平次もすっかり感心してしまったよ」

平次は灯の中に全身を現すと、こう心から老巾着切りの心境を褒めるのでした。

「恐れ入ります、親分」

「それにつけても、お前の考えの間違っていることだけは言わなきゃなるまい。番頭は何と言ったか知らないが、三百八十両の金は、たしかに巾着切りにやられたに違いない。二人の様子で、この平次は潔白を見届けたよ」

「ヘエ――」

「両国橋から飛込もうとするのを、どんなに骨を折って止めたか――捕縄を出して、欄干へ縛ろうかと思ったくらいだ。人間は、見栄や洒落で、夜中過ぎの大川へ、女づれで飛込めるものじゃねえ」