Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
「お前は?」
「佐太郎でございます、――今のお話は他所ながら聞いてしまいました。有難うございます。親分さん方が、そんなお心持とは知らずに、不貞腐れて知ってることも申上げず、親父が死んでも顔を出さずにおりました」
佐太郎は陽の中へ顔を出すと、頬を濡らして泣いていたのです。
「お前は大した悪人でもないようだ。何だって勘当されたり、奉公人にまで遠慮をしなきゃならないんだ」
平次は濡れ縁に腰を掛けました。
「勘当されたのは、これと一緒になったのが切っかけで――」
佐太郎は後ろをふり返ります。枕屏風の蔭には長患いの女房お松が、形ばかりの夜の物を着て青白い顔をのぞかせているのです。
「それはどうも腑に落ちないよ、――お神さんは商売人あがりというわけでもなかったそうだが」
「あんなに親父が腹を立てるとは、私も知りません。ツイ一緒になってしまうと、火のついたような怒りようで、この家と三百両の金を貰って七年前に久離切られました。それからは呑む、打つで」
「父親が、お前を傍へ置きたくない事でもあったんじゃないのかな」
「そんな事があったかも知れません」
「何か変ったことに気が付かなかったのか」