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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme

Aozora Bunko

「そいつは困るぜ、二人はただの道伴れだ」

平次は野暮なことを言って大きく手を振ります。

「まア、親分さん、――」

お六はいつまでも離れともない風情でした。が、さすがに打ちあけてそう言い兼ねたものか、モジモジしながら自分の部屋に引下がります。

「誰だい、入口の漆喰壁へ、消炭なんかででっかい丸と四角を描いたのは?」

帳場の方でそんな声がしました。多勢の雇人たちが、いろいろ評議をしている様子ですが、結局誰の悪戯とも解りません。

しばらく経ちました。

平次は手水場から帰って来てさて寝ようとすると、

「親分さん」

そっと廊下の外から声を掛ける者があります。柔かな匂うような声。

「お六さんかい」

「お願いがありますが、入って構いませんか」

「いいとも、まだ寝たわけじゃねえ」

「では」

滑るように入って来たお六、寝巻姿に、少し取乱しておりますが、何か異常な緊張に、ワクワクしている様子です。

「どうしたんだ、お六さん」

「親分さん、――お約束を守って下さるでしょうね」

「約束?」

「敵、久留馬登之助の在処がわかりました。今夜、今すぐ名乗りかけて討ちたいと思いますが――」

お六は華奢な肩を落して、怨ずる姿に平次を見上げます。