Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme

Aozora Bunko

平次はそう言ってもう一度櫛を取上げながら続けました。

「この櫛には血が付いていない、誰も拭きゃしませんね、――もっとも一度血の付いた櫛なら、拭いても歯の間に血が残っているはずだが、この櫛にはそんな跡はない、――血の中に入っていて、血が付かないとすると、この櫛はお楽を殺した時落したんではなくて、後から持って来て、そっと置いて行ったものに違いない。血が乾きかけてから置いたなら、櫛へは血が付かなかったわけで――」

「…………」

皆んなはこの一言ですっかり平次に征服されてしまいました。互に顔を見合せて、次の言葉を待つばかりです。

「自分の持物を死体の側へ持って来る者はないから、この下手人はお静でもお町でもありませんよ」

平次は笹野新三郎の方を向いてこう言います。

「…………」

皆んなホッと溜息を吐きました。わけてもガラッ八の喜びようというものはありません。

「それから、こんな袋路地の奥へ湯帰りのお楽を連れ込むのは、知っている者でなきゃアならないが、女じゃありません。後ろから突いたから、一応女と思うのも尤もだが、女が匕首を持って向う突きにしたとすると、傷口は上向くはずだ――第一返り血が大変だから、その辺にウロウロしているとすぐ見つかる」