Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
ちょうど帝銀事件のあった頃で、車掌さんに直ぐ届けたら、車掌さん曰く「銭形の親分ともあろうものがスリにやられちゃ、みっともないですよ」――私はなんとも言葉が出なくてペコペコお辞儀していた。家内が傍で大笑いするので、私もつい釣り込まれて笑ってしまったが、あの万年筆は使い馴れていたものだけに残念でならなかった。東京へ帰って、その話をすると、友人や親類がアメリカさんあたりから手に入れたのを譲ってくれたり、贈ってくれたりした。しかし使い馴れたものへの愛着は断ち切りにくいもので、しばらくはしょげてしまった。作家にとって万年筆は武器みたいなものである。
うちでは表札もよくとられる。一時「捕物作家クラブ」の表札を下げておいたが、とられ通しだった。なにか泥棒除けになるということらしい。浅草にある「半七塚」の黒いきれいな砂利も、魔除けとか泥棒除けにみんなもって行かれてしまうということだ。
あの「半七塚」を造ったのは私であるが、いま「銭形平次塚」を神田明神に造ろうという話があって、守田勘弥君などが奔走してくれている。これは二、三年前から話があったが、私は断りつづけに断っている。