Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
かなり取乱した中に床を敷いて、町内の外科が、新助の傷の手当をしているところへ、
「災難だったね、番頭さん」
平次は声を掛けます。
「ヘエ――、私はよろしゅうございますが、旦那がお気の毒で、何しろ昼の疲れですっかり寝込んでいるところをやられたんですから」
新助はおどおどした顔を挙げました。
「曲者の顔を見なかったのかい」
「いま申上げた通り、何かに驚いて、ハッと飛起きると、行灯は消えて真っ暗でしょう、――旦那、旦那――と声を掛けるといきなり後ろからバサリとやられたんで――」
「それから」
「恥かしいことですが、それっきり眼を廻してしまいました。呼び起されてみるとこの有様で、ヘエ――、何とも申し訳ございません」
「謝らなくたっていい、――ところで、その主人を呼んだとき隣の部屋に灯が点いていたのかい」
「点いておりました、ヘエ」
「疲れちゃ悪い、横になった方がいいだろう。全く災難だったね」
平次は新助の後ろへ廻って、外科の手当をしている傷を見せて貰いました。
右の肩下から、五寸ばかり定規で引いたように斬り下げた刀創は、さまで深いものではありませんが、血の出ようがひどいようですから、ずいぶん気の弱い者は眼ぐらいは廻すでしょう。