Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
「フーム」
笹野新三郎が顔を挙げると、庭へはもう、お神楽の清吉が、民五郎を引据えております。
「兄哥、とうとう民五郎を挙げたね」
同じく縁側へ滑った平次は、天を仰いで歎息するようにこう言いました。
「それが悪いのか、銭形の、――弥三郎殺しを新助の仕業と思ったのは俺の鑑識違いだったが、今度ばかりは外れっこのねえ証拠がある」
万七は少しいきり立ちます。
「二人とも、静かにせぬか、――万七、何よりその証拠というのを聞こうか」
笹野新三郎は二人の争いをなだめてこう言います。
「申しますとも、第一に主人の佐兵衛と、養子分の新助を殺せば、あの身代は民五郎の自由になります。佐兵衛を斬ったのは、かなりの腕前ですが、民五郎は若い時ならず者の仲間に交って、腕も少しは出来るっていいます。それから上方で薬屋をやった事もあるそうですから、弥三郎を殺した恐ろしい毒薬を持っていたはずです」
「…………」
「それに、曲者は外から入ったように見せてありますが、縁側の泥足は、すぐその下の沓脱にあった下駄でつけたもので、柔かい庭土の上には足跡もありません。曲者は内の者に決っております」
――ずいぶんヘマな証拠を拵えたんだネ――平次はそう言おうとして口を緘みました。