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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme

Aozora Bunko

「一人では骨が折れるだろうな」

「いえ」

お越は、いつもの習慣で、巧みにきれいな方の半面を見せて、慎ましく板の間に坐っております。後ろに突っ立ったのはガラッ八、長い影が、ユラユラと戸棚に揺れるのも、少しばかり怪奇な趣でした。

「お前の生れは?」

「房州でございます」

「親兄弟はあるのか」

「兄夫婦が百姓をしておりますが――」

あまり事件と縁のない訊問に、お越は不審の眉を挙げました。

「この家の人達はどうだ、目立って仲の悪いのはないか」

「いえ、――皆んな良い方ばかりで」

「亡くなった新造は、主人の望みで、大層な支度金を出して貰ったという話だったが――」

それは神田から下谷浅草かけて、誰知らぬ者もない評判でした。きりょう好みの源吉が、飾り屋の小町娘を、金に飽かして申受けたという経緯、――半年ほど前に、幾つのゴシップを飛ばしたことでしょう。

「でも良い方でございました。――気前の良い」

お越は給金でも増してもらった様子です。

「嫂とお松さんとの仲は?」

「そんなに悪くはございません、――お松さんはあの通りで、世間の小姑とは気風が違いますから」

「もう一つ訊くが、――番頭さんは、お松さんをどう思っているのだ、先刻は変に庇っていたが」