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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

「八、お米を呼んで来てくれ」

「ヘエ――」

八五郎は隣の部屋で神妙に縫物をしている下女のお米を呼んで来ました。

「俺は半襟一と掛けなんてケチな事は言わねえ、帯でも袷でも買ってやるから、浅川団七郎という浪人者の素姓を知ってるなら話してくれ」

平次はいきなり高飛車に出ました。

「そいつは違やしませんか、親分」

以ての外の顔をしたのは八五郎です。

「黙っていろ、明日まで引延していて、どんな事になるかも判らない――なア、お米、知ってる事はみんな申上げた方がいいよ」

平次はいつものたしなみに似ず、懐から十手を覗かせたりするのでした。

「何にも知らねえだよ、御浪人の後ろ姿を二度ばかり見ただけだよ」

お米は何に脅えたか、頑固に頭を振ります。

「お前は何か知っているに違いない。言わなきゃ縛って行くが、どうだ」

「知らねえだよ、おらは、何にも知らねえだよ」

お米は部屋の隅にピタリと引っ込んで、脅えきった猫のような眼を光らせます。その無智な頑固さを見て取ると、力攻めで急に口を開けさせるわけには行かないと見たか、

「八、気の毒だがこれからすぐ三浦屋へ行ってくれ。お小夜が勤めをしている時分の深間を一人残らず手繰り出すんだ。