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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

それから下っ引を五六人駆り出して、この三年間お小夜に係り合った人間を調べ上げてみるがいい。その中に浅川団七郎という浪人者がいると判ったら、下手なちょっかいを出さずに、居所だけを突き止め、遠巻に見張って、すぐ俺のところへ言って来い、――明日の朝までだぞ、いいか」

「合点だ」

ガラッ八はもう、尻を七三に端折っておりました。親分の様子で、事件がようやく峠を越したことが判ったのでしょう。

八五郎の後ろ姿を見送って、平次はすぐお小夜の家の隣――といっても、これは音羽の通りに面した紙屋の皆次の店へ入りました。

「あ、親分さん方」

皆次は二つ三つつづけざまにお辞儀をしました。二十五六のまだ若い男で、額の狭い、鼻の低い、少し出ッ歯で、小柄で、平凡そのもののような男です。

「浅川団七郎という浪人者が、時々お小夜のところへ来たそうだが、お前は気が付かなかったのかい」

平次の問いは誰も予期しないような種類のものでした。

「いえ、一向見たこともありません。――お小夜さんのところへ出入りする人間で私が気が付かないはずはないんですが――」

「その通りですよ、この人は間がな隙がなお小夜さんの家ばかり覗いていたんですから」