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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

「なぜ、お白洲でそれを言わなかったんだ。それを言いさえすれば、助かる見込みがあったのに」

平次はお美乃の話から、不思議な事件の展開を見たのでした。

「それができなかったのです。――浪五郎は仲間の者の悪企みから、五年前に海賊の一味と間違えられて縛られ、もう少しで首を切られるところを、縄抜けをして助かった人です。今ではなんとか名前を変え、顔容まで変えているんでしょう。浪五郎は正直者で、海賊なんかする人じゃありませんが、お上に睨まれていては手も足も出ません」

「…………」

「ですから、月に一度そっと江戸へ来て、水天宮様へお詣りして、小三郎さんに逢って行くのを、何よりの楽しみにしているんです。小三郎さんはあの通りの人ですから、自分が磔刑になるまでも、養い親の浪五郎の首に縄のつくようなことは口へ出せなかったのです」

「フーム」

あまりの怪奇な話に、平次もただ唸るばかり。

「悪者はそれを知って、五日の晩を選って父さんを殺し、小三郎さんに罪をなすったに違いありません。可哀想に小三郎さんは、養い親に義理を立てて、親殺し、主殺しで死んで行くんです。どうぞ助けてやって下さい、浪五郎に迷惑のかからないように。