Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

「これを読むのか」

「まア――そんなむずかしいものが、私に読めるわけはありません。みんな亡くなった母親の形見です。母親は館山の殿様の御殿に上がって、長いあいだ奉公したことがあるんですもの」

お照は美しい顔を赤らめて弁解します。

奉公人に一人一人字を書かせてみましたが、商人だけに、兼松も谷五郎もかなりの能筆、お照も美しい仮名文字を書きますが、お北は一文不通で、いろはのいの字も書けません。しかしこれだけの中にお狩場の四郎の名前で、平次へくれた不思議な手紙の筆蹟に似たのもありません。

「八、お前気の毒だが、奉公人の身許を残らず洗ってくれ。房州と神奈川へは、下っ引を出すんだ。いいか、大急ぎだぞ」

平次は最後の手段を、奉公人達の身許にきこうとしたのです。

「それじゃ親分」

ガラッ八はさっそく飛び出しました。が、それと一緒に、もう一人の人間が街の闇に飛び出したことに、平次は気付かないわけはありません。それは反感と好奇心とで一杯になった十三丁目の重三が、遠くの方から平次の調べを逐一見て取った上、一と足先に奉公人たちの身許調べに飛んで行ったのです。

後に残った平次は、もういちど奉公人の動きを調べました。