Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十三)青い帯

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.244 Zeichen · 231 Bildschirme

Aozora Bunko

「物の蔭があったろう。庇の下とか、建物の袖とか、――人間が隠れていられるくらいはあったはずだと思うが」

「いえ、御覧の通りで、人一人隠れるような場所はありません。井戸の中へでも入ってブラ下がっていれば別ですが、――車井戸ですから、そんなことをするとすぐ判ります」

「…………」

「土蔵の入口は霧除けの下でちょっと薄暗かっただけ、あとは何の蔭もない場所です。親父が――逃げた――と言った時、四方を見廻しましたが、木戸は締っていましたし、この辺には誰もいなかったことは確かです。すると間もなく裏口から徳松どんが飛び出して来ました」

「それから」

「つづいてお福が出たようです。あとは五六人いっしょでしたから、誰が誰やらわかりません」

こう言われると、家の中に下手人があると思い込んだ、平次の鑑定も怪しくなります。

「ところでもう一つ訊きたいが、翁屋の商売の方はどうだったんだ。あまり良くない噂を聴いたように思うが、――」

「ここだけの話でしょうか、親分」

孫三郎は不安らしく八五郎を見上げました。三十を少し越したばかりの苦み走ったというよりは、少し粗野な感じのする男ですが、なんとなく血の気の多い純情家らしくもあります。