Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.244 Zeichen · 231 Bildschirme
「…………」
八五郎の無遠慮な問いに、お梅は眉を垂れました。このうえ何か言ったら、ワッと泣き出してしまいそうです。
「お才さんとお嬢さんは? 仲が悪いようなことはないでしょうな」
「お才さんは、よくできた人ですもの」
お梅は顔を挙げてきっぱり言うのでした。
十八の娘からこれ以上何にも引出せそうもないと判ると、八五郎はこんどはお才に逢ってみる気になりました。
わざと人目を避けたお才の部屋で、至って質素な調度の中に、二十三になるという娘は、慎み深く目を伏せます。
「若主人の道楽はひどいようだが、それでもお前さんは一緒になる気に変りがないのだね」
「…………」
お才は黙って顔を挙げました。確かと肯定した眼差しです。少し痩立ちの淋しい姿ですが、目鼻立ちも端麗に、いかにも聡明そうで、道楽者の半次郎には、幾らか煙たがられるといった様子があります。
「お前さんが土蔵の前へ行ったのは、いつごろだろう。お福の後だろうと思うが――」
「え、小僧さんたちと一緒でした。私の部屋はこの通り裏口へは一番遠くなっておりますから」
「殺された孫六を怨んでいる者はあるまいな。この家の者で」
「あんな良い方ですもの、怨んでなんかいるものはありません。