Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.244 Zeichen · 231 Bildschirme
土蔵の戸前は開けたまま、平次はどこかに身を隠して、その霧除けの下に八五郎が倒れて合図をすると、一番先に孫三郎が飛んで来ました。つづいて徳松、お福、お梅、その後からお才や小僧たちが一団になって駆け集まると、
「おや、親分」
どこかに身を隠していたはずの銭形平次は、いつ、どこから現れるともなく、大勢のなかに交って、ニヤニヤ笑っているではありませんか。
「下手人の隠れていた場所に、俺もちょっと隠れてみたのさ」
「どこです、親分」
屋根を離れて中天に昇った明るい月光の下、人間一人姿を隠せる場所などはあろうとも思われません。
「――主人がいちばん怪しかった。いちばん後で裏口から出たのを、皆んなで見ていなければ、俺はきっと主人を縛ったに違いない、――しかし大勢の人が順々に飛び出して来る裏口へ、番頭を刺して逆に飛び込む隙はないはずだ」
「…………」
平次は顧みて他を言います。翁屋の店中の者は月の光の中にひと塊りになって、平次の論理の発展に固唾を呑みます。
「本当の下手人は、裏口から出た姿を誰にも見られなかった人間だ。主人でも徳松でも、お梅さんでも、お福でもない。もちろん孫三郎でもない、――」