Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.244 Zeichen · 231 Bildschirme
「あの四畳半で、お勢を介抱していたというじゃないか」
「へエ、でも、その時分はもう、お勢もすっかり元気で、お秀さんに見られると悪いから、二階へ行ってくれと言っていました」
猪之松は極り悪そうにこんなことを言うのです。山の中から掘り出したような男ですが、健康で若々しくて、正直そうで、本当に野に吹く風か、山に生えた杉を思わせる人柄です。
「お秀に見られちゃ悪いのか」
「へエ、お秀さんには恩になっていますから」
猪之松の正直な眼が、悲しそうにまたたくのを平次は見のがしませんでした。
「それは戌刻(八時)前のことか」
「酉刻(六時)少し過ぎだったでしょう。大きな花火が、引っきりなしに鳴って、戸や障子がピリピリしていました」
「ところで、戌刻過ぎに大勢の客が帰って、改めて飲み始めてからお秀は階下へ降りなかったのか」
「降りなかったようです」
「何をやっていたんだ」
「みんなで騒いでいました。――あ、三味線を持って来ると言って隣の部屋へ行ったようでしたよ」
「それっきりか」
「へエ――」
それっきり手掛りの糸は切れてしまいました。気を揉んだのは八五郎です。
「親分、どんなことになるでしょう」