Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

「そのお房さんとやらに逢わせて下さい」

平次はこの欲の深そうな主人と長く話しているのが鬱陶しくなった様子です。

お房というのは二十歳というにしては少し老けた方で、決して綺麗ではありませんが、なんとなく智的な感じのする娘でした。

「お前さんはお房さんというんだね」

「ハイ」

お房は淋しく俯向きました。

「この家とどんな係り合いがあるんだ」

「私は旦那様の甥の娘で、遠い親類ですが小さい時両親に別れて、ここに引取られました」

「主人はよくしてくれるだろうね」

「それはもう」

弁解するような調子のうちに、何かしら悲しい語気が潜みます。髪形も着ているものも、至って質素で、若いにしては智的に見えるのは、そのためだったかも知れません。

「お前さんはここの嫁になるはずじゃなかったのか」

喜八は遠慮のない事を言いました。

「いえ、とんでもない」

「すると、お夏が嫁になっても、不服はないわけだね」

「…………」

お房はうなずきました。

それから平次は主人の部屋、お夏の部屋、倅の部屋などを見せて貰い、物置と納戸と土蔵まで念入りに調べさせて貰いました。

「まさか土蔵に隠れているような事はあるまい」