Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
「…………」
「お夏さんの父親は清水の旦那の若い時分の友達で、昔は江戸で一緒に仕事をしたが、清水の旦那はすっかり残して尾久に引込んであの身上を拵え、お夏さんの父親は、商売の縮尻から、二三年前首を吊って死んだという話ですよ」
「フーム」
「その娘を清水の旦那が引取ると、浪人者の大井半之助さんが付いて来て、近所に家を借りて見張っているんです。大変な執心ですよ」
「有難う。それだけ訊くと大変役に立つ、――一つその大井とかいう人に逢ってみようか、兄哥」
平次はさっそく新しい手掛りをたぐりました。
「無駄だろうと思うよ。浪人者といっても、生っ白い弱そうな武家で、朝から晩まで本を読んだり歌を作ったり、女のするような事ばかりしている男だ。若い娘を誘拐したり、腕っ節の強いやくざを二人殺したりするような、そんなことの出来る柄じゃない」
喜八は頭から相手にしません。
「でも、武家は心得がありますよ。弱いようでも、いざとなれば、こちとらの二人や三人はどうにでもなりまさア」
与三松もなかなか主張がありそうです。
「じゃ行ってみるとしようか」
平次はその弱い武家に興味を持ち始めた様子です。