Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
「懐中物は」
「綺麗に抜かれましたよ」
「それじゃ辻斬じゃない」
その頃はまだ、斬った上に懐中物まで抜くようなサモしい辻斬はなかったのです。
「追剥にしちゃ腕が良すぎましたよ」
ガラッ八はまだ腑に落ちない様子です。
「待て待て、斬って懐中物を抜いたのは、金ではなく証拠になる品物を奪ったのかも知れない。こいつは面白くなったぞ、八。お前は御苦労だが、下っ引を二三人駆り集めて、源次の身許と今までの奉公先をみんな洗ってくれ。とりわけ、綺麗な小間使か腰元が家出をしたところがあったら、そいつを念入りに調べるんだ。お弓町のあたりが一番臭いぞ、解ったか、八」
「合点ッ、半日経たないうちに、お組の奉公先のお櫃にのこった飯粒の数まで調べて来ますよ」
「頼むよ八」
「それから先は親分の働きだ、今のうちに一と休みしていなさるがいい」
疾風のごとく飛んで行く八五郎、その忠実な後ろ姿を見送ってどうして今まで手を抜いていたか、平次は自分ながら歯痒い心持でした。もっともお屋敷方の女中が一人、取揚げ婆アの家の二階から消えたところで、平次が手一杯に働く張合いもなかったのでしょう。
「親分、判った」