Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

――戌刻半(九時)から先は、金五郎親方と岩吉さんの外には誰も入って来なかったようです」

およのの言葉には疑問を挟むべき余地もありません。

「翌る朝は」

と平次。

「私が木戸を開けました」

「よく締っていたんだね」

「ヘエ、桟もおりていましたし、輪鍵も掛っていました」

「輪鍵には釘を差さないのか」

「差したり、差さなかったりですよ」

「その時は?」

「釘は差してなかったようです。そういえば二三日前から釘が見えなくなって、輪鍵を掛けただけですよ」

およのは妙な事に思い当った様子です。が、平次がどうしてこんな細かいことまで聴くのか、見当もつかなかったのです。

「お六の家へ行ってみようか、銭形の兄哥」

喜三郎は少し面倒臭そうでした。

「いや、少し待ってくれ」

平次は木戸へ引返すと、もういちど念入りに調べ始めました。桟の具合、板の割目、それから木戸を吊った蝶番の具合など。

「おや?」

平次は木戸の滑らかさが、蝶番に油を注してあるためだとわかると、鼻を持って行って、クンクンと嗅いだりしました。

「親分、何か匂うんですか」

とガラッ八。

「お前の良い鼻で、こいつを嗅いでみてくれ。ただの灯し油じゃあるめえ」