Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

「銭形の親分が少し訊きたいことがあるそうだ。話してくれ」

「ハイ」

お美乃は上がり框に手を突くように、泣き腫らした眼で平次と喜三郎を迎えるのでした。

「親分、可哀想じゃありませんか、なんとかしてやって下さいよ」

八五郎は平次の耳許に囁きます。

「ところで、お六から借りた金のことだが、――いつ借りて、どんな催促をされて、いくら払って、残っているのはいくらだ」

平次はそんな細かい事を訊きながら、上がり框に腰をおろしてしまいました。

「二年前、母さんが死んだとき、一両だけ借りました。三月目に一両二分にして返す約束で――」

「恐ろしく高い利息だな」

「でも払えないとなると、毎日毎日ここへ来て、いやな事ばかり言いました。父さんは一生懸命働いて利息だけは入れた心算ですが、それでも、二年目の今となっては、積り積って三両になったから、私を奉公に出すか、でなかったら、日済しにして返せと言われて、私は小石川の叔母さんのところへあの晩相談に行ったんです」

ポロポロとこぼれる涙を、粗末な袷の袖で拭いて、覚束なくもお美乃はつづけるのです。

「太え婆アじゃありませんか、親分」

後ろの方で、ガラッ八は一人で腹を立てています。