Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
ハンカチのうしろから現われたものは、云うまでもなく、ゾッとする程無表情な、金色の顔であった。
黄金仮面はツカツカと、大真珠の陳列台に近づき、ガラスに顔をくっつけて、燦爛たる「志摩の女王」に見入った。彼の黄金の鼻の頭が、ガラスに触れて、カチカチと鳴った。金色の三日月型の口から、異様な呟き声が洩れる。怪物は今、喜びに震えているのだ。
ガラス切断の小道具は、ポケットに揃っていた。何という手際、瞬く間に、その厚いガラス板に穴があいた。そこから、怪物の手が、蛇の様に忍び込む。
アア、日本真珠の誇り「志摩の女王」は、遂に怪物の手中に帰した。彼は天鵞絨台座から、大真珠を掴みとった。
その刹那、ジリリリ……と、けたたましく、建物の高い天井に鳴り響く電鈴の音。
怪物は「アッ」と憤怒の叫びを発して、飛上った。飛上った足で、いきなり一方の出口に向って突進した。
盗難防備の秘密装置というのは、この電鈴仕掛けだった。天鵞絨の台座に何かが触れると、忽ち鳴り響く非常報知器だった。
続いて場内に湧起る、少女看守達の悲鳴、逃げまどう足音。だが、そこにいたのは頼み甲斐なき小娘ばかりではなかった。