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Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

それからもう五時間余り、何事もなく過去った。今は深夜の一時である。

アア、何という異様な取合せであろう。深窓に育った美少女と悪魔の如き怪盗の奇しき縁。世にも恐ろしき金色の恋。

「アラ!」

不二子が幽かに叫んで、黄金仮面の無表情な顔を見つめた。相手の異様な身動きを感じたからだ。

黄金仮面は、三日月型の唇をそらして、天井を眺め、じっと聞耳を立てている。何か物音がした。ソッと歩き廻る人の足音の様なものだ。彼の鋭い耳が、いち早くそれを聞きつけたのだ。

コンクリートの天井を隔てていても、あたりが余りに静かなので、どんな物音も聞漏らしはしない。

確かに人が歩いている。頭の上の真暗な部屋の中を、物の怪のように歩き廻るものがある。

不二子にもそれが分った。彼女はおびえて、男の金色のマントにすがりつく。黄金仮面は静かにその手をほどいて、スックと立上った。

彼は不二子を椅子に残したまま、部屋を出て、暗闇の階段を音もなく昇り、秘密の出入口から上の廊下に出た。

地上には月が出ていた。その光が窓から忍入って、部屋部屋をほの白く見せている。

黄金仮面は、足音を忍ばせて、それと覚しき部屋の、ドアの前に立止った。