Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

併し、明智は運転手の説明を半分も聞いていなかった。彼は矢庭に生垣を飛び越すと、さっき黄金仮面と格闘した部屋の外へ駈けつけた。見ると、その部屋は一階建てで、屋根のひさしもそんなに高くはない。

「旦那、旦那、あいつはどこの野郎です。僕の車をどこへ持って行ったんです」

運転手は、息せき切って、明智を追駈けて来た。

「君、この窓枠へ手をかけて、尻上りに、あの屋根へ昇れると思うかね。人間業でそんな芸当が出来ると思うかね」

明智が飛んでもない質問をしたので、運転手はびっくりして、目をパチパチさせた。

「僕には迚も出来ない。イヤ、誰だって出来ないだろう。併し、あいつ丈は例外だ。博覧会の産業塔へ昇った奴だからね。梯子乗りの名人の仕事師でさえ敵わなかった奴だからね」

明智は気でも違った様に、喋りつづけた。

「アア、俺は何という馬鹿者だろう。屋根に気がつかぬとは。庭ばかり探し廻って、上の方を見もしなかったとは。君、あいつは庭へ飛び出すと見せかけて、窓枠に手をかけ、一振り振った反動で、足の先で屋根のひさしへ昇りついたんだぜ。そして、僕が庭を探している間、屋根の斜面に平べったくなって隠れていたんだぜ」