Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
「お嬢さん、お父さんはフランス語がお出来になりましたか」
隅っこの方に小さくなっていた絹枝さんが、びっくりして顔を上げた。
「いいえ、父は外国語は少しも出来ませんでした」
「あなたは?」
「あのフランス語でございますか」
「そうです」
「いいえ、ちっとも存じません」
「召使の方に出来る人はありませんか」
「そんな教育のある者は、一人もございません」
絹枝さんは、明智の質問の意味を悟りかねて、妙な顔をして答えた。
その意味を悟り得ないのは、絹枝さんばかりではなかった。
「明智君、フランス語が、この事件に何か関係でもあるのかね」
波越警部が耐りかねて尋ねた。
「ウン、関係があるらしいのだ。これを見給え」
明智は右手に握っていた、もみくちゃの紙片を、引のばして一同に示した。成程フランス語らしい綴りの文字が、三行程並んでいる。だが、あいにくなことに、明智の外には、誰もフランス語を完全に読み得る者がなかった。
フランス語の文句とは別に、紙片の一方の隅に、左の様な数字と妙な記号が記してある。
数字と妙な記号の図
これ丈けは誰にも読めた。だが、その意味は少しも分らない。
「さっき、この部屋の隅に丸めて捨ててあるのを、見つけたのだ。