Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
若しここの家族にフランス語の出来るものがないとすると、そして、昨日この部屋を掃除したとすると、この紙切れは、昨夜忍込んだ奴が落して行ったと考えることが出来るのだ」
明智が説明した。いつもながらすばやい男だ。
「で、そのフランス語は、何が書いてあるのだね」
警部が尋ねる。検事、予審判事を初め、この不思議な問答に、きき耳を立てている。
「それが、ちっとも分らないのだ。気違いの文章か、おみくじの文句みたいに、不得要領なことが書いてある。こっちの隅の数字と渦巻も分らない。分らない丈けに興味がある。ひょっとしたら何かの暗号ではないかと思うのだよ」
「それが賊の落して行ったもので、本当に暗号文だとすると、非常な手掛りだが……」
「イヤ、確かに暗号だ。僕は殆ど確信している。あとはためして見る丈けだ」
明智が彼の癖の飛躍的な物の云い方をする。
「ためして見るって? 何をためすというのだね」
波越氏がけげん顔で聞返す。
「この数字と渦巻の意味をさ」
一同明智の独合点に面喰った形で、ポカンとしている。
「僕の考えはこうなのです」そこで明智が説明を始めた。「川村雲山氏が、この部屋から何も盗まれなかったと知って顔色を変えたこと、それから令嬢に立去る様に命じたこと、この二つの一見不可解な事実が何を意味するか、先ずそれを考えて見なければなりませ