Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
流石の侯爵も、一人娘の非業の最期に気も顛動して、大切なお客さまルージェール大使一行のことも忘れ、前後の処置も考えず、ただ美しい姫のなきがらに取り縋って、涙にくれていたが、波越警部達が空しき捜索を切上げて引返して来た時、やっと気を取直して、こういう折は、老練な三好執事の智恵を借りる外はないと、召使達の間にその姿を探したが、どうしたものか老人の影さえ見えぬ。
「三好は、三好はどうしたのか」
侯爵の声に応じて、三好老人の妻女が、おずおず顔を出した。
「三好が、何だか変なのでございます。それから、家に泊っています木場さんも。二人共一間に横になって、グーグー寝込んだまま、いくら起しても目を覚まさないのでございます。どなたか、一度見に来て下さる訳には……」
「眠っているって? それは変だ」侯爵の頭に麻酔剤という考えがひらめいた。「波越さん、一つ見てやって下さいませんか」
警部が三好老人の住居へ駈けつけて見ると、如何にも奥の一間に、老人と、長髪の怪人物とが、腕枕でグーグーと寝入っている。突いても叩いても、死んだ様に他愛もない。寝入る前にお茶を飲んだと見えて、枕下に茶器が出ている。