Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

「アッ、いけない」

明智がある予感におびえて叫び声を立てた時には、もう遅かった。しかも、外の一座の人々は、まだ笑いやんでいないのだ。

小雪は隅のテーブルに走り寄って、金の仮面とマントをとると、手早くそれを身につけて、アッと驚く人々の前にスックと立ちはだかった。

可憐な小間使の姿はかき消す様に失せて、そこには兇賊黄金仮面が、三日月型の唇でニヤニヤと笑っていた。

不思議な錯覚が、一瞬間人々を躊躇させた。小娘とは分っていながら、黄金の扮装が、何かしらひどく恐ろしいものに見えたのだ。

流石に波越鬼警部は、真先に幻覚を払いのけて、金色の怪物に飛びかかって行ったが、小雪の方では、人々の躊躇している間に、逃走の身構えが出来ていた。彼女は金色の燕の様に、鬼警部の手の下を潜って、ドアの外へ飛出してしまった。

廊下を幾曲り、ヒラリヒラリと金色の虹が飛び過ぎるあとを、波越警部を先頭に、署長や刑事連中が、追駈ける。

母屋を離れた怪物は、疾風の様に庭を横切って、まだ開いたままの美術館へと飛込んでしまった。

追手にしては、何を小娘が、どこまで逃げられるものかという油断があった。