Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
逃げる方では死にもの狂いの一か八かだ。そこに思いがけぬ開きが出来た。
小雪は美術館へ飛込むと、中から重い扉をしめてしまった。自然にピンと錠がおりる。つまり、彼女は我と我身をコンクリートの蔵の中へ、とじこめてしまったのだ。
「そこへ這入れば袋の鼠です。慌てることはない」
おくればせに、明智小五郎と共にかけつけた鷲尾侯爵が叫んだ。
「併し裏手の窓は?」
波越氏は、もうその方へ駈け出し相にしながら聞返す。
「大丈夫。窓には皆鉄格子がとりつけてあります。女の腕で、あの格子を破ることは出来ません」
「では、ここの鍵を。……三好さんはどこへ行きました」
「部屋にウロウロしていました。どなたか、呼びに行って下さい。併し、ナアニ、慌てることはない。もう捕えたも同じことですよ」
斯様にして、黄金仮面は、最後の努力も空しく、遂に追手の手中のものとなった。
黄金仮面即ち小間使の小雪。これはどうしたことだ。余りにも意外千万な、寧ろ信じ難き真相ではないか。この小娘が果して、博覧会の産業塔で、あの離れ業を演じることが出来たのであろうか。そこに、何か飛んでもない錯誤が伏在するのではないだろうか。