Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
湖水の岸を迂廻して先廻りをする様な、完全な道路もない。
「あれの外に、もう発動船はありませんか」
明智が怒鳴った。
「あります。あります。ホラ向うからやって来る。あれは近所の漁師の持舟です」
追手に加わっていた侯爵家の書生が叫んだ。
見ると、何と仕合わせなことには、発動機を取りつけた小さな漁船が、岸伝いにやって来る。操っているのは、所の漁師らしい木綿縞の半纏を着た四十男だ。
「オーイ、その舟を一寸貸してくれ。あのモーターボートを追駈けるのだ。警察の御用だ」
一人の刑事が呼ばわると、御用と聞いて驚いた漁師は、早速舟を一同の前に着けた。
乗込んだのは、警察署長と、波越警部と、明智小五郎と、刑事が二名、運転手の漁師とを合わせて六人の同勢だ。
「こう見えても、馬力はこっちの方が強いんだから、あのボートを追い抜く位造作はありませんや」
漁師は自慢らしく運転を始めたが、その時已に両船の間には、三丁程の距りが出来ていた。しかも、先のボートは、丁度岬の様に突出た陸地の蔭に隠れて、一時見えなくなってしまった。
だが、その間に犯人が上陸する心配はない。そんな所へ上陸すれば、すぐ側に県道が通じていて、最も人目につき易い場所なのだ。