Clásicos japoneses con furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lee 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 346.393 caracteres · 692 pantallas
夏の中ごろに年取った伯母の老病を見舞いに行った母親は、そのころまでも伯母の傍に附いていた。伯母の病気は長い間の腎臓やリュウマチでこの幾年というもの床に就きづめであった。周囲の人たちも介抱に倦んで病人は自分の業をはかなんだ。いつ死ぬか解らないその病人の臭い寝所の側に、母親も際限なく附いていられなかった。それに久しく東京で母子ともまごついている母親は、村の表通りを晴れて通ることすら出来なかった。身装が見すぼらしいので久しぶりで墓参をするにも、そっと裏山の裾を伝って行かなければならなかった。母親はどんなことをしても、広々した東京の方がやはり住みよいと思った。
母親が帰って来ると、父親の近ごろの様子もほぼ解った。父親は本家の方の家の世話をしたり、町で長く公立の病院長をしていて、金を拵えて村へ引っ込んでから、間もなく腐骨症の脚を切って死んだ親類の、妾と、独り取り残されたその祖母との家を見たりして日を暮していた。田舎で見聞きして来た厭な出来事を、母親から話を聞かされると、お庄は十一の年に出たばかりの自分の家や周囲の暗い記憶が、また胸に浮んだ。
「あのお祖母さんも、若い時分にどこのものか知れない庭男と私通いて院長のお父さん……つまりお祖母さんの添合いに髪を切られた騒ぎもあったでね。