Clásicos japoneses con furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lee 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 346.393 caracteres · 692 pantallas
四十六
夜笹村の部屋で寝ようとするお銀の懐へ絡りついて来る子供は、時々老人の側へ持って行かれたが、やはり駄目であった。子供に対して細かしい理解のない老人の手に扱われて泣いている子供の声は、傍に見ている笹村の頭脳に針を刺すように響いた。
「お前見たらいいじゃないか。」
笹村はお銀に顔を顰めたが、長いあいだ襁褓の始末などについて、母親に委しきりにして来たお銀は、そんなことには鈍かった。お銀の体のきまりのつく前と後では、子供に対する父と母の心持は、まるで反対であった。
四十六
お銀の遠縁にあたるという若い画家が一人神田の方にいた。山内というその男と笹村も一、二度どこかで顔を合わして相知っていた。お銀のことを表向きにするについて、笹村は自分のところへ出入りしている山内の従弟の吉村によって、ふと山内のことを思い出させられていた。吉村の家と近しくしていたお銀の父親は、山内の父親とも相識の間柄であった。
春、笹村が幾年ぶりかで帰省する前に、笹村夫婦と山内とは、互いに往来するほどに接近して来た。
ある晩方年始の礼に来た山内は、ぐでぐでに酔っていた。一度盛んに売り出したことのある山内は、不謹慎な態度から、そのころ一部の人の反感を受けていた。