Clásicos japoneses con furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lee 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 346.393 caracteres · 692 pantallas
四十五
」
お銀は塩煎餅を壊しながら、そんな話をしはじめるのであった。
笹村の当て推量は、その時はそれで消えてしまうのであったが、外出をするお銀の体には、やはり暗いものが絡わっているように思えてならなかった。
「三度目に、こんな責任を背負わされるなんて、僕こそ貧乏籤を引いてるんだ。」笹村は揶揄い半分に言い出した。
「三度目だって、可愛そうに……片づいていたのは真の四ヵ月ばかりで、それも厭で逃げたくらいなんだし、磯谷とは三年越しの関係ですけれど、先は学生だし、私は叔父の側にいるしするもんだから、養子になるという約束ばかりで、そうたびたび逢ってやしませんわ。」
四十五
笹村の口から磯谷のことをいろいろに聞かれるのは、お銀にも悪い気持はしなかったが、その話も二人にとって、次第に初めほどの興味がなくなってしまった。お銀と磯谷との関係と磯谷の人物とがはっきり解って来れば来るほど、笹村の女に対する好奇心は薄らいで来たが、お銀の胸にもその時々の淡々しい夢はだんだん色が剥げて来た。それでも時々笹村に身を投げかけて来るようなお銀の態度には、破れた恋に対する追憶の情が見えぬでもなかった。