Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lee 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 346.393 caracteres · 692 pantallas

Aozora Bunko

五十六

、一層笹村の心をいらいらさせずにはおかなかった。

不快な顔を背向け合っていることが、幾日も続いた。笹村はそのまま病院へ行こうともしないでいる妻の無精を時々笑ったが、お銀はさほど気にもしないらしかった。

前にもついて行ったことのある知合いの医者と一緒に、ある日大学の婦人科へ診てもらいに行ったのは、それから大分経ってからであった。

「今どこと言って、別に悪いところはないんですって……。」

帰ってくると、お銀は晴れ着のまま、笹村の傍へ来て話し出した。

「ただお産の時に、子宮が少し曲ったんだそうですけれど、それは今度のお産の時にでも直せばいいそうです。今はほんの一週間も、洗うなら洗ってみてもいいって言うんですの。」

「へえ、そうかね。」笹村はその診断があっけないような気がした。

潤沢も緊張もないお銀の顔色は、冬になると、少しずつ、見直して来たが、お産をするごとに失われて行く、肉の軟かみと血の美しさは恢復せそうもなかった。

五十六

そのころから、お銀はおりおり笹村の古い友達の前へ出て、酒の酌などをした。髪の抜け替わろうとしている鬢際の地の薄くすけて見えるお銀のやや更けたような顔は、前よりはいくらか落ち着いてもいたし、媚かしさも見えた。