Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lee 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 346.393 caracteres · 692 pantallas

Aozora Bunko

三十八

「私もお葬式が見たい。」

支度をしに、笹村が家へ帰ったときお銀は甘えるように言ったが、先に半年ばかり縁づいていた家の親類のいる牛込のその界隈が、心遣いでもあった。

葬式の出る前は沸騰るようなごたつきであった。家の内外には、ぎッしり人が塞って、それが秩序もなく動いていた。

葬式から帰って来た笹村の顔は、疲れきっていた。

「私腕車で駈けつけたけれど、お葬式が今そこへ行ったという後……。」と、お銀は婦人たちの様子などを聞きたがった。

笹村は晴れがましくもない自分の姿を、誰にも見られたいとは思わなかった。

三十八

町内の頭の手で、笹竹がまた門に立てられた。笹村はかさかさと北風に鳴るその音を耳にしながら、急き立てられるような心持で、田舎へ送る長い原稿を書いていた。笹村の肩には、去年の暮よりか一層重い荷がかかっていた。生活もいくらか複雑になっていた。そしてその原稿を抱いて、朝夙く麹町の方にいるある仲介者の家を訪ねたのは、町にすっかり春の装いが出来たころであった。久しく一室に閉じ籠ってばかりいた笹村の目には、忙しい暮の町は何となく心持よかったが、持っている原稿の成行きは心元なかった。