Clásicos japoneses con furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lee 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 346.393 caracteres · 692 pantallas
「お神さんが独りでいさえすれば、何のことはないんでしょうがね。」と、世帯崩しのこの女中は、婆さんの男意地の汚いのを憎んだ。
「自分じゃ稚い時分から育てた芳ちゃんが、まんざら可愛くないこともないんでしょうけれどね、やっぱりあの爺さんと別れられないんでしょうよ。お爺さんだって、今となっちゃ空手じゃ出て行きゃしませんからね。」
お庄は、お袋からは何のことも聞かされなかった。
今日もお袋は、朝のうち料理場や帳場の方を見廻っていたが、まだ顔色が悪く、髪も取り乱したままであった。そして掃除がすむと神棚へ切り火をあげて、お庄と一緒に餉台に向いながら、これまでに自分の苦労して来た話などをして聴かした。
「何も辛抱ですよ。辛抱気のない人間はどこへ行っても駄目だよ。」と、お袋は、東京へ行って二日も帰らなかったお庄の心が、まだ十分ここに落ち着いていないのをもどかしく思った。
昼からお袋は、また頭が痛むと言って奥へ引っ込んで行った。
三時ごろ、お庄は帳場の蔭で、新聞の三面記事に読み耽りながら、そうした世間や自分の身のうえなどをいろいろに考えていた。広い通りには折々荷車が通って、燥ぎきった砂がぼこぼこと立った。