Clásicos japoneses con furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lee 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 346.393 caracteres · 692 pantallas
切り拓いた地面に二棟四軒の小体な家が、ようやく壁が乾きかかったばかりで、裏には鉋屑などが、雨に濡れて石炭殻を敷いた湿々する地面に粘り着いていた。
笹村は旅から帰ったばかりで、家を持つについて何の用意も出来なかった。笹村は出京当時世話になったことのある年上の友達が、高等文官試験を受けるとき、その試験料を拵えてやった代りに、遠国へ赴任すると言って置いて行った少しばかりのガラクタが、その男の親類の家に預けてあったことを想い出して、それを一時凌ぎに使うことにした。開ける時キイキイ厭な音のする安箪笥、そんなものは、うんと溜っていた古足袋や、垢のついた着物を捻じ込んで、まだ土の匂いのする六畳の押入れへ、上と下と別々にして押し込んだ。摺り減った当り棒、縁のささくれ立った目笊、絵具の赤々した丼などもあった。
長い間胃弱に苦しんでいた笹村は、旅から持って帰った衣類をどこかで金に換えると、医療機械屋で電気器械を一台買って、その剰余で、こまこましたいろいろのものを、時々提げて帰って来た。
机を据えたのは、玄関横の往来に面した陰気な四畳半であった。向うには、この新開の町へ来てこのごろ開いた小さい酒屋、塩煎餅屋などがあった。