Clásicos japoneses con furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lee 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 346.393 caracteres · 692 pantallas
しかしうっちゃっておいても育って行くように見えた、次の女の子が、いつもころころ独りで遊んでばかりいないことが、少しずつ解って来た。この子供は、不断は何のこともない大人の弄物であったが、どうかして意地をやかせると、襖にへばりついていて、一時間の余も片意地らしい声を立てて、心から泣きつづけることがあった。
「いやな子だな。豚の嘴のような鼻をして……此奴は意地が悪くなるよ。」
笹村は小さい自我の発芽に触るような気がした。
「巳年だから、私に似て執念ぶかいかも知れませんね。」
そう言って子供を抱き締めているお銀は、不思議にこの子の顔の見直せるようになって来るのに、一層心を惹かれていた。
「あなたは坊だけが可愛いようですね。私はどちらがどうということはありませんよ。」
時々そんなことを口にする母親の情がだんだん大きい方の子供に冷めて行くのが笹村によく解った。
「そうさ、体質から気質まで、正一のことは己には一番よく解る。」
そしてその交感の鋭いのが、笹村にとって脱れがたい苦痛の一つであった。
その冬笹村のふと冒された風邪が、長く気管支に残った。熱がさめてからも、まだ咽喉にこびりついているような痰が取れなかった。