Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 508 883 caractères · 1017 écrans
頼みに頼み、訴えに訴えぬいても、武蔵が、巌みたいに、こちらのいうことを肯いてくれないと、城太郎はそれ以上いいようもなくなって、なんだか、武蔵という人が、あんなに好きだったお師匠さまが、急に嫌な奴にみえてきた。
(喧嘩してやろうか)
と、城太郎は、肚のなかで思ったほどだった。
だが、さすがに、武蔵へ向って、悪たい口は叩けないとみえ、彼は顔の表現をもって、武蔵の反省を求めていた。酢を舐めたような口をして、いつまでも、面を膨ませていた。
彼が黙りこむと、武蔵は画手本を見ながら、描きかけの絵へ筆をとり始めた。城太郎は、彼が習っている茄子の絵を睨みつけ、
(下手クソ!)
と、心で罵っていた。
その画にも倦んだらしく、武蔵が筆を洗い出したので、もういっぺん頼んでみようかと、城太郎が唇を舐めてなにかいいかけると、飛石を拾って来る木履の音がして、
「お客さま。洗濯物が乾きましたから持ってまいりました」
と、さっきの引船が、きちんと畳みつけた袷と羽織の一襲ねを抱えて来て、彼の前におく。
「ありがとう」
武蔵は入念に、洗えて来た衣服の袖や裾を調べて、
「きれいに落ちましたな」