Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 508 883 caractères · 1017 écrans

Aozora Bunko

春の雪

一

そうでおざるか。近衛家の御用人松尾殿の甥御であらっしゃるか。松尾殿は、わしもよう存じ上げておる」

ここでも、叔父の名が出たので武蔵は、こういう大町人たちと、堂上の近衛家あたりとの関係をなんとはなくうっすら察することができた。

「さっそく行きましょうぞや。明るいうちに出て、そぞろ歩きと思うたが、もう暗うなったゆえ、駕を呼ぼう。……武蔵どのも、もちろん交際ってくださるじゃろうな」

年に似あわずせかせかしている紹由と、おっとり構えこむと遊廓へ行くことも忘れているような光悦と、それも変っている対照であった。

その二人を乗せてゆく町駕の後から、武蔵も生れて初めて、駕という物に乗って、堀川のふちを揺られて行った。

春の雪

一

「ウウ、寒」

「風が撲ぐって来よった」

「鼻がげそうだの」

「なにか降るぞ、今夜は」

「――春だというのに」

駕かき同士の高声だった。白い息をふいて柳の馬場へかかっていた。

三つの提燈はしきりに揺れ、しきりに明滅する。夕方、比叡のうえに見えた笠雲はもういっぱいに洛内の天へ黒々とひろがって、夜半には何に変じるか、怖ろしい形相を兆している夜空だった。

――だがそのかわりに、この広い馬場の彼方に見える一かたまりの地上の灯の美しさといったらない。